今日は初めて会った人が、
「高校時代にバンドをやっていた」
と、話していた。
バンド・・・
どのバンドだろう?
まず考えられるのは、髪留めのバンドだ。
誰かの髪留めバンドになるというのは、
どんな高校生活なのだろうか。
何か特殊ないじめを受けてきたか、
クラスに始皇帝の生まれ変わりのような
カリスマを持った奴がいて、
その人の召使いだったかしか考えられない。
しかし、彼に暗そうなところは特にないので、
この線は薄そうだ。
次に考えられるのは、北米大陸の狩猟民の組織形態という説だ。
特定の狩猟民の集団のことをバンドということがある。
もしかしたら、それを指しているのだろうか?
しかし、これも難しい。
バンドをやるということは、
集団であることを意味する。
個にして、集団。
集団にして、個。
そんな論理パラドクスみたいな
概念的な存在にも見えない。
目の前のこの人は、ちゃんと実体がある。
最後に考えられるのは、
Xバンドレーダーだ。
これは米軍が採用する
対弾道ミサイル迎撃用レーダーのことである。
恐らく、彼がやっていたのはこれだろう。
それしか考えられない。
実際、話していても見るからに利発そうで、
すぐにミサイルとか察知できそうな
雰囲気を醸し出している。
今度、北朝鮮がミサイルを発射したら、
試しに聞いてみようと思う。
「あ、そのミサイルなら秋田県から
西方153キロメートルの日本海に
着水ですね~」
などと正確に答えてくれるはずだ。
こちらに着弾しそうな時も、
すぐに避難指示を出してくれると思う。
私は彼を心の中でJアラートと呼ぶことにした。
いざという時は頼んだぞ。