だいたい日刊 覇権村

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おいしい料理の作り方

 

自分で言うのも何だが、

私の料理の腕はなかなかのものである。

何を隠そう私の趣味の1つは料理。

普段私は様々な物を料理するし、

時にはきょうあくな何かに

料理されたりもする。

今日は料理について語ろう。

 

さて、おいしい料理を作るには、

実はコツがある。

それは理論である。

学問でも、料理でも

大切なのは理論研究だ。

いつでもどこでも当てはまる

普遍的な理論さえ発見してしまえば、

あとはそれを当てはめるだけである。

そうすれば何だってうまくいくものだ。

私はそれをいくつも知っている。

特別に1つだけ教えよう。

 

例えば料理に魚を使う時。

必ずおいしくする方法がある。

それはアクアパッツァ化することだ。

アクアパッツァとは、

イタリアの魚介類料理のこと。

アクアパッツァ風の味つけをすれば、

全ての魚料理はおいしくなる。

私はこれをアクアパッツァ第3法則と名づけた。

第1法則と第2法則は、

いずれ紹介することもあるだろう。

 

では、アクアパッツァ化する方法とは何か?

これは簡単。

まず、フライパンにオリーブオイルを引き、

にんにくを入れて炒める。

そして魚の切り身を入れ、

焼き色をつける。

あとは白ワインとトマトとブイヨンを入れて、

煮込むだけである。

私はこれで失敗したことはない。

今日だって安物のタラを購入し、

アクアパッツァ化した。

パッパッと作ってさぁ夕飯。

そして一口食べた瞬間、

圧倒的生臭さが怒濤のごとく押し寄せて、

私の鼻腔を完全に破壊した。

なんなんだこれは。

こんなのただの魚の死体じゃないか!

私は大自然の脅威の前に

ただただ立ち尽くした。

イタリアが遠ざかっていくのを感じる。

こうしてアクアパッツァ理論は崩壊し、

食卓から笑顔が失われたのだ。