「町を、作らないか?」
友人のツトム氏(自称)から、
そんな誘いを受けた。
どうやらおすすめの
町作りゲームがあるらしい。
私は町を作るべく
友人の家に赴いた。
町作りのゲームといったら何だろう?
そう、やっぱりシムシティ!
と思いきや、
Cities Skylineというゲームだった。
シムシティとの違いはよくわからないが、
まぁ、町を作るゲームだ。
それでは早速作っていこう。
ツトム 「さぁ、何から作る?」
私 「スラムでしょ」
普通、SF映画では、
最高のユートピアが
最悪のディストピアへと転じるものだ。
なら逆に、ディストピアから始まる
ユートピアもあるのではないか?
闇がある所に光はあるのだ。
闇を作ろう。
まず置くのはゴミ捨て場。
不要な物はどんどん捨てていこう。
あとは治安の悪い工業地帯も欲しい。
排水はもちろん川に垂れ流しだ。
ひとまずこれで初期設定は完了した。
ツトム 「人、すげぇ死んでるんだが」
私 「安心してくれ。
共同墓地をたくさん作ろう。
これが本当の怒りのデスロードだ!」
ツ 「墓地墓地ですなぁ」
そして町にはスラム地帯と
大量の墓地ができた。
きっとこの荒んだ大地から
未来ある若者が芽吹き、
花を咲かせてくれるはずだ。
私はそう信じた。
だが、川は産業革命期の
テムズ川のように汚れ、
街には犯罪が蔓延し、
財政は破綻した。
こうして私の夢の町、
ネオ・ニルヴァーナシティは
崩壊したのであった。