知人たちと話した際、
「サプリメントが良い」
という話を聞いた。
サプリがあれば、やりたいことに
必要な栄養素を簡単に摂ることができる。
そして目的を叶えられるとのことだ。
素晴らしい。
では、私がサプリに求めるものは何だろう？
力・・・力が欲しい！
どんな敵にも負けないぐらいの
強大な力を手にしたい！
あとはそれに必要な栄養素を知り、
サプリを買うだけだ。
私は期待を胸にドラッグストアに向かった。
店にはたくさんのサプリがあった。
しかし、どうしたことだろう。
いくらサプリコーナーを探しても、
欲するものは見つからなかった。
どうやらこんな抽象的な望みでは
ダメみたいだ。
美容とか、ビタミン不足解消のためとか、
もっと細かく具体的な目標が必要らしい。
そこで私はもう少し目的を具体化した。
私がサプリに求めるものは何だろう？
力・・・カルシウムが欲しい。
転んでも骨折しないぐらいの
強大な力を手にしたい。
若干下方修正がなされたが、
当初の目的と通ずるものはある。
骨が弱ければそもそも
強くなることなどできない。
どんな敵にも勝つことはできないのだ。
私はカルシウム用のアプリを買った。
では、味の方はどうだろう？
良薬は口に苦しという。
それにカルシウムというならば、
きっと小魚と牛乳を
ミキサーにかけたような
救いようのない味をしているはずだ。
だが、さっき妥協してしまった手前、
もう一歩も譲ることは許されない。
どんな苦みにだって耐えてみせよう。
私は意を決してサプリを食べた。
そして口の中に広がる
優しいバナナのフレーバー。
こどもが大喜びしそうな
甘さが嬉しい激甘バナナ味である。
このサプリ、ダメかもしれん。
牛乳飲も・・・
こうして私の牛乳生活が始まった。
