緊急事態宣言も明けたし、
うまいもんでも食いに行こう！
そう思い、今日は友人を誘って
外食することにした。
しかし、町に出てみると、
考えていることは皆同じだった。
店はどこも激混みである。
食欲を無くした我々は、
おめおめと引き下がった。
あたりを歩いていると、
うらさびれたパン屋を発見する。
そこでささやかなパンを買い、
公園のベンチで食べることにした。
圧倒的負け犬感。
ここ数年で最も惨めな食事である。
公園は誰もいなかった。
野球もサッカーも遊具も騒ぐことも
全てを禁止された公園である。
まるで敗北者がパンを食うためだけに
作られたような公園であった。
ちなみに選んだパンは、
私はクリームパン、
友人はチョココロネだ。
食べ始めてから私は思った。
しまった！
チョココロネの方が甘くておいしそう！
ここで私は第二の敗戦を迎える。
今日は敗戦記念日である。
しかし、私は良識ある大人なので、
自分の選んだパンに揺らぎない
自信があるかのように食した。
ちなみに、後で友人から
聞いた話によると、
「クリームパンの方がおいしそうだった。
チョココロネを買ったのを悔やんだ」
とのことである。
隣のパンは甘い。
今日のことわざである。
