時々、人からマルチタスクを
勧められることがある。
マルチタスクとは、その名の通り、
複数の作業を同時進行させることだ。
例えば、何か別の作業をしながら勉強をする、
食事をしながら仕事をする、
あるいは取引先へのメールを書きながら、
マインスイーパーで遊ぶ、等が挙げられる。
マルチタスクをマスターすれば、
いつもいっぱいいっぱいな私も
雑事から解放されるかもしれない。
なので今日は真面目に
マルチタスクのやり方を考えることにした。
マルチタスクを始めるにあたって、
まず必要なこと。
それは目を開くことだ。
人は目を開かなければ、
物を見ることはできない。
これは意外と盲点だと思う。
だが、こういう基本的なことができないと、
次のステップには進めないものだ。
怖がらずに積極的に目を開いていこう。
だが、目を開いた時にふと気づく。
自分は今、目を開く以外にも
やっていることがある。
それは呼吸だ。
自分は今、見ると同時に
呼吸もしているのである。
この時点ですでにマルチタスクだ。
もう2つも重要な作業を同時並行している。
厳しい戦いになりそうだな・・・
私はマルチタスクの大変さを痛感した。
さて、呼吸をしながら目を開く私は、
次に野菜ジュースを飲み始める。
野菜ジュースを飲まなければ、
体を動かすビタミンが摂れない。
これも呼吸と同じぐらい大切な動作と言えよう。
だけど、嗚呼・・・
これでもう3つものマルチタスクだ。
体が悲鳴を上げている。
限界が近い。
しかし、何とか自分を奮い立たせ、
次のタスクにチャレンジしてみよう。
さて、私はもうマルチタスクの大変さを
嫌と言うほどわかった。
そして、無駄な作業は何一つとしてできない
ということもわかった。
ならば、ここいらで一気に片をつけなければ。
一番重要な作業、本命の読書に入ろう。
幸い、読むべき本はすでにいくつもあった。
あとはそれらを取り出して・・・
おっと、ここで本を持ち上げる
というタスクが入った。
もはや絶望的な戦いだ。
二正面作戦どころか四正面作戦。
ABCD包囲陣だ。
ここで私は体力を使い果たし、力尽きた。
私のマルチタスクの限界は、
3つまでということがわかった。
