だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

1人焼き肉を満喫した

最近、1人焼き肉の店が増えている。

その名の通り、1人でも

焼き肉ができる店のことだ。

 

1人焼き肉は良い。

どうして焼き肉という

素晴らしい場所に、

わざわざ他の人と行く必要が

あるのだろうか。

 

モノを食べるときはね。

誰にも邪魔されず、

自由で、なんというか

救われていなきゃあダメなんだ。

独りで、静かで、豊かで・・・

 

要するに孤独のグルメを読んでくれ。

 

というわけで、今日は

1人焼き肉の店に行くことになった。

店は焼き肉ライクという所だ。

 

しかし、焼き肉に1人で行くのも

アレなので、友人のO氏と行った。

やっぱり焼き肉は、

みんなでワイワイやらないとな。

 

店内はどうなっているかというと、

隣の席とは板で区切られ、

目の前に小さなロースターがある。

そこで肉をちまちま焼く。

 

要するに自習室スタイルだ。

ここで、生きるのに

必要なことを学ぶのだ。

 

だが、1人焼き肉なのに

空気を読まず、複数で

来てしまった連中のために、

仕方なく用意してある座席もあった。

我々は、そこに座った。

  

ロースターは、とても狭かった。

2人席だが、他の1人席の

ロースターとあまり変わらない。

スペースがかなり限られている。

1人に割り当てられる肉の量も、

そんなに多いものではない。

 

そこから導き出される帰結は、

たった1つだ。

 

国境紛争。

限りある資源の奪い合い。

 

卓上では絶えず暖かい

ヒューマンドラマが繰り広げられた。

 

「こっちは俺の肉だな」

「いいや、私のだ」

 

「少し国境を侵犯している。

賠償としてこの肉をもらおう」

「いや、国際法上、ここは

わが国の領土であることは疑いない。

こちらこそ賠償を請求する」

 

基本的に、この場には

肉食獣しかいない。

誰もが帝国主義者

ならざるをえないのだ。

 

だが、一方で平和な会話も行われた。

 

私 「そういえば先日は十五夜だったな。

でも月を見るのを完全に忘れていた。

満月見たかったなー」

O 「今日、来る時に通りがかった

小学校の前で、潰れたカマキリがいたよ」

私 「なぜ今その話をした?」

O 「代わりになるかなと思って」

私 「ならんよ」

 

その後も我々は、

様々な権謀術数を巡らせ、

相手に領土割譲を迫ったり、

富の奪い合いをしたりした。

 

やっぱり1人焼き肉は、1人がいいな。

 

私はそう思った。

 

 

 

 

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